離婚後、子どもと離れて暮らす親との面会交流は、子どもの健やかな成長のために大切なものです。
でも、対象がまだ赤ちゃんや小さな子どもだと、「どう進めていけばいいの?」と悩む方がとても多いです。
特に母親からは、
- 「授乳やお昼寝の関係で、長時間は難しい」
- 「まだ人見知りが激しくて、父親に懐いていない」
- 「事故やケガが心配で、1人では任せられない」
といった不安の声を多くいただきます。
赤ちゃん・幼児との面会交流は「段階的に・安心できる形で」
小さな子どもは、環境の変化や知らない場所にとても敏感です。
まずは、親も子も安心できる形から、段階的にスタートするのがポイントです。
おすすめの進め方としては
- しばらくは母親同席での面会(自宅や近くの公園など)
- 面会時間は30分〜1時間程度の短時間から
- 慣れてきたら、近距離での1対1の時間を少しずつ取り入れる
- 最初の数回は、室内型の子ども向け施設や、親子カフェなど安全な場所で会う
- ビデオ通話や写真・動画の共有など、間接的なかかわりを続けるのも一つの方法
子どもの年齢や発達状況、体調、日々の生活リズムなどに配慮しながら、「子どもが安心して過ごせるかどうか」を基準に進めていきましょう。
面会の内容にもひと工夫を
面会時間にどんな過ごし方をするかも大切なポイントです。
とくに赤ちゃんや幼児の場合、長時間の外出や刺激の強い場所は避けるようにしましょう。
以下のような過ごし方がおすすめです:
- 子どものお気に入りの絵本を一緒に読む
- ブロックやパズルなど、落ち着いた遊びを取り入れる
- 自宅での面会であれば、お昼寝やミルクの時間を母親と共有しておく
- 感染症や気温など、体調管理への配慮も忘れずに
無理に親子の「ふれあい」を演出しようとせず、子どもの自然な反応に合わせて、距離感を大切にすることがポイントです。
合意内容は文書化しておくのがおすすめ
面会交流については、話し合ったつもりでも「言った・言わない」のトラブルが起きやすいものです。
そこで、決めた内容はできるだけ合意書や公正証書にして残すことをおすすめしています。
記載しておきたい内容は:
- 面会の頻度と時間(例:月1回・1時間など)
- 面会方法(母親同席、屋内で行うなど)
- 面会場所(自宅、地域の親子施設など)
- 子どもが体調不良のときの対応
- 今後の見直しのタイミング(半年ごとなど)
書面にすることで、お互いの理解が深まり、安心して面会交流を続けていくことができます。
面会交流は、親のためではなく、子どものための大切な時間です。
でも、特に赤ちゃんや幼児の場合、「いま本当に会わせて大丈夫なの?」「この形で続けていいの?」と迷うことも多いものです。
お子さんの成長に合わせて柔軟に対応しながら、無理のない形で面会交流を進めていきましょう。